渡瀬恒彦の死~置いていかれた少女
学生のとき男女にとって「憧れの人」というのはだいぶ意味が違ってくる。
女の場合クラスの子とか先輩、男はアイドルが多いという
大きい声で言えないが、学生が自慰するときも、男はアイドルが多いという。
憧れと現実を女性のようにうまく区別つけられないのだろう。
以前俺は小川範子という女優に恋?していたというコラムを書いたのだが、
小川範子結婚!
http://spainzaka10.hatenablog.com/entry/2016/11/04/191113
当時の俺は本当にショックだった。
俺は小川範子という女優の顔に恋したのではない。役に恋したのだ。当時から大人から
「天才子役」
といわれていたが、なるほど、今見てもすげー才能の持ち主だと思っている。
若くして演技派なので、汚れ役が多かったのだが、そこがまた少年の心をつかんだ。俺はせっせと「年上のお姉さん」のポスターを部屋に貼りまくった。
さて気になるスキャンダルなのだが、特に浮いた噂もなく純粋に少年の俺は「憧れ続けて」いたのだが、どうにも小川範子のタイプというのが判明したのである。
「渡瀬恒彦」
・・・これには驚いた。どうせジャニーズ系が好きなんだろう、と思っていたので、俺もせっせとかわいい系にしていたのだが(実際はかわいくないのだが)・・・しかしおじさん好きとはなんということだ・・・
少年は深く傷ついた。これは真似できない。今オジサンになってわかるのだが、おじさん好きというのはどの世代にも必ずいるのである。
ここだけの話し、禁断の恋もいくつかしたが、彼女達は全く同年代に興味がない。
六歳から芸能界に入っていた小川範子であれば、年上が好きというのはすごく普通のことであったろう。
だが、俺は大失恋した気持ちでいた。当時ラジオをやっていたのだが、そこにもいくつか文句を書いた葉書を送った。挙句の果てには、ファンクラブに入るとカードが送られてくるのだが、それを葉書に貼って、
「もうファンやめる!」
とやったもんだ。若気の至りってやつだね。熱狂的なファンだったものなあ。
次の週では、
「色々批判の手紙も来ましたが・・・」
みたいなこと言ってた。その後も雑誌を見たりしても、
「20~30くらい上の人がいい」
とか言っててだんだんファン熱も冷めてきた。
決定的な発言としては、
「渡瀬恒彦さんのようないいパパーって感じの人と結婚したいです」
ってなのを雑誌で見て禁酒禁煙ならぬ「禁恋」することに決めた。
年下の俺にはパパは無理だ。あきらめよう。
しかし、当時の想いはすごくて、さっきも貼ったのだが、沢山コラム書いてるのにこの記事はしぶとく実に多く検索されている。
読んでくれたという前提で話しを進める。
小川範子結婚!
http://spainzaka10.hatenablog.com/entry/2016/11/04/191113
さて先日、渡瀬恒彦さんが死んだと聞いて、憎きライバルだと思っていたのが、急に寂しくなってしまった。
憧れの人の憧れの人の死・・・
昨日神奈川県をドライブした。いつもの洋楽は聞かないで、小川範子の「どうしてこんなに好きなんだろう」(このアルバムの中の数曲を担当している作詞家と仲がいいので)を聞きながら、むかし住んでいた秦野に向かった。
冒頭にも書いたが、女の憧れの人と男の憧れの人とは全然違うよなーって今頃になってわかる。
憧れの人がいるからこそラブソングも歌えるわけでさ。
「憧れはパパみたいな渡瀬恒彦さん!」
大変結構じゃないか、なんて今さら思ったと同時に・・・
「俺より先に小川範子が先に死なれたらどうしよう」
と思った。憧れの人を失う空虚感って半端じゃなさそう。
最近の子は小川範子といっても知らない人が多いし、今ではファンの前でも発言がない。
もし一人で寂しいのなら、歯槽膿漏のシーズーを連れて慰めにも行きたいが、そういうわけにもいかない。
きっと元気だろう。ただ単に仕事を休んでるだけで、幸せに暮らしてるさ。
「憎きライバル・渡瀬恒彦」
の死からは異常に小川範子が今何してるのか気になる。きっと他のファンもそうだろう。
あの演技力だから復活すれば確実に人気は出るだろうし、その辺に関しては心配してないけどね。
渡瀬恒彦さんの死によってまさかここまで自分が寂しくなるとは思わなかった。
もしかしたら俺は、「渡瀬恒彦さんを目指して」いたかもしれない。
アイドルでも部活の先輩でもいい。
「憧れの人」が先に死ぬのは寂しいものだ。
小川範子結婚!
http://spainzaka10.hatenablog.com/entry/2016/11/04/191113